災害支援や国際NGOなどを騙った義援金詐欺の手口とセキュリティ対策について解説

現在、日本は世界でも様々な災害が発生しやすい国として知られています。常に巨大地震が発生する恐れがあるのに加えて、夏の時期には台風が襲来することで洪水や崖崩れなども発生し、毎年各地で甚大な被害が出ています。また、世界に目を向けると、ウクライナとロシアによる戦争やイスラエルとパレスチナによる紛争など世界各地で絶えず争いが起きています。このような災害や戦争で苦しんでいる人々を救済するために様々な募金活動がオンライン、オフライン問わず実施されています。

しかし、これらの人の善意の気持ちを悪用して寄付金を集めて騙し取る詐欺事件が急増しているのも事実です。最近では、能登半島地震などの義援金に便乗した詐欺メールが出回ったのは記憶に新しいです。今回は国際紛争の支援や地震をはじめとする災害支援を騙った義援金詐欺の手口を紹介するとともに、これらの詐欺事件に巻き込まれないためのセキュリティ対策について解説します。

最近、日本の寄付金額が増加

現代の日本では、駅前など街中でお坊さんがお椀を持って立って布施を募る姿を見たことがある人も多いのではないでしょうか。日本では、中国から仏教の伝来とともに伝わった僧侶に金銭や食料を寄付する「托鉢」という文化があります。古来の日本で托鉢は、主に井戸や堤防の建設の際などに行なわれており、寄付した信者が功徳を積むことができると考えられていました。

しかし、近代になると一時期托鉢自体が禁止された時期があったり、托鉢以外の寄付をするという行為自体はそう多くはなく、一部の富裕層や企業が行なう程度にとどまっていました。一方、アメリカや欧州などの海外の諸外国では、古くから寄付の文化が根付いており、現在も個人、団体問わず積極的に行なわれています。また、タイやラオスなど東南アジアの仏教国では、今でも人々の生活の中に托鉢文化が根付いています。

しかし、日本ではここ十数年の間に寄付に対する考えが大きく変わり始めています。日本ファンドレイジング協会が発行する寄付白書によると、2010年の個人寄付推計総額は4874億円でしたが、2020年には1兆2126億円と2.5倍に増加しており、その後も増え続けています。

個人の寄付が増える大きなきっかけとなったのが2011年3月に起きた東日本大震災です。死者、行方不明者合わせて22000人以上という未曽有の大災害が日本社会に与えた影響は非常に大きく、日本全国のみならず、世界中から義援金が集まりました。その後、2016年に発生した熊本地震では、5年間で約535億6480万円もの義援金が熊本県などに寄付されました。

最近では、2024年1月に石川県を中心に北陸地方で発生した能登半島地震の際も、震災後1年間で781億9417万8818円もの義援金が石川県、日本赤十字社県支部、県共同募金会へ寄付されました。このように日本では、東日本大震災を境に義援金を寄付する習慣が根付いています。さらには、地震などの災害だけでなく、海外で起きた戦争や難病患者など様々な困難に直面している人に対する募金や支援活動も積極的に行なわれています。

義援金詐欺が増加の一途をたどる背景

最近、慈善団体を騙って募金活動を行ない、善意で集めた資金を悪用する詐欺の手口である「義援金詐欺」が増加しています。従来の募金活動というと、駅前など人目につきやすい場所でNPOやNGOなどの各団体が募金箱を持って声がけを行なう街頭募金活動を行なっているイメージが強いですが、近年はインターネット上でウェブサイトやSNSを活用して義援金や支援金を募ることも珍しくなくなりました。

ただし、なかには本物そっくりの偽の募集サイトやSNSアカウントも存在しています。これらの偽サイトは一見、本物と見分けがつかないほどに巧妙にできており、何も知らない多くの人々が騙されています。インターネットが発達したことで私達の生活がより便利になりましたが、その反面、多少の知識さえあれば誰でも簡単に義援金詐欺などができるようになるなど負の部分も生み出していることも事実です。加えて、犯罪組織がこの手口に目をつけて、これらの偽の義援金を募るサイトやSNSアカウントを運営することで活動資金を得ていることがわかっています。このように義援金詐欺は、現代における犯罪者達の代表的な詐欺の手口といえるでしょう。

また、支援活動を積極的にSNSで情報拡散している芸能人の名前を勝手に使った募金詐欺も発生しています。このような著名人の名前を偽った詐欺は、募金詐欺以外にも発生しており、なかでも投資詐欺は頻繁に起こっています。オンライン詐欺の中でもこのようなSNSを使った投資詐欺やロマンス詐欺などの特殊詐欺は年々増加傾向にあり、警察庁によると令和6年度には21043件、約718.8億円もの被害が出ていることがわかっています。

主な義援金詐欺の種類

現在、義援金詐欺といっても様々な種類があります。以下では、過去に日本国内で起きた義援金詐欺の種類を紹介します。

街頭募金

街中で街頭募金を装って不特定多数の人から義援金などを募る詐欺を働く街頭募金詐欺は昔からある手口であり、現在も後を絶ちません。特に東日本大震災後に増加し、その後も地震や洪水など災害が起きた際に便乗して全国各地で起きています。最近は災害関連のみならず、動物愛護をはじめ、盲導犬や介助犬、聴導犬の育成、難病患者を救うなどの名目で行なわれている偽の街頭募金活動があることがわかっています。

電話や直接訪問

支援団体を装ってターゲットとなる高齢者を中心に電話をかけたり、自宅に直接訪問し、災害の義援金を募る詐欺も多発しています。犯罪者達は、公的機関を偽ってターゲットに近づいたり、「震災の影響で知人が家をなくしたので義援金を募っている」や「市が義援金を集めている」などといい、指定された銀行口座に振り込ませようとしてきます。なかには実際にターゲットとなる被害者の親類関係を調べ、被災地の親戚を装って騙そうとしてくる手口も過去に報告されています。これらの多くがターゲットとなる人物に対して被災者への同情をアピールし、考える時間を与えずに寄付を急がせる傾向があります。また、近年は行政機関が実施している国勢調査や統計調査を装って電話をかけて個人情報などを聞き出す「かたり調査」と呼ばれる詐欺も横行しています。

SNSなどオンライン上

インターネットの発達とともに最近はオンライン上での義援金詐欺事件が増えています。主な手口としては、偽のメールやSNSアカウントを通じて偽の団体のウェブサイトへ誘導します。犯罪者達は、インターネット上にある被災地の写真や動画をあたかも自分たちが撮影したかのように勝手に利用することで信憑性を高めて義援金を送金させようと誘導します。

さらには偽サイト内で入力したクレジットカード情報や銀行口座情報などの金融情報や個人情報までもが盗まれてしまう危険もあります。大手企業や公的機関の名前があるからといって信用してメールや広告をクリックしてしまった結果、義援金詐欺に巻き込まれてしまったという話もあります。

また、最近は「ベストフレンド詐欺」や「国際フレンド詐欺」というSNS上で友情関係や恋愛関係を偽って、相手から大金を振り込ませる手口も横行しています。これらはSNSのアカウントを使ってウクライナ・ロシア戦争やイスラエルとパレスチナによる紛争に巻き込まれた人物を名乗って、同情心や恋心を巧みに悪用して騙されてしまうケースが後を絶ちません。

被災地への投資詐欺

被災地の復興支援を目的とした投資プロジェクトと偽って多額の投資金を騙す事件も起きています。電話や訪問、または郵便物を一方的に送り、被災地の工場支援などを謳って高いリターンを保証するという名目で投資を募る手口です。主なターゲットは、これまで未公開株や社債などを購入した高齢者で、偽の儲け話に騙されるケースが多発しています。

義援金詐欺に遭わないための対策

上記で紹介した義援金詐欺は、私達の生活において遭遇する可能性の高い犯罪の一つです。これらの詐欺に巻き込まれないためにも、日々の生活の中でしっかりとした対策を講じる必要があります。以下では、義援金詐欺に対するセキュリティ対策を紹介します。

公式サイトなどで団体が実在するかを確認する

義援金を送金する前に支援先の団体が実在するかどうかを確認しましょう。調べてみると実は偽の架空の団体であったりする場合もよくあります。また、実在する団体名を騙っている可能性もあるため、団体の支援先やプロジェクトを調べることも重要です。どうしても疑問がある場合は、送金する前に公式サイトから問い合わせて確認してみることも一つの手といえるでしょう。

義援金の使い道を調べる

本当に実在する団体であってもどのようなことに使用されているかを事前に確認することも大事です。プロジェクトの内容が具体的に明記されていない場合は詐欺の可能性もあります。加えて、団体の収支や過去の財務報告書などの財務情報には義援金の使い道などが含まれるため、こちらも合わせてチェックしてみるとよいでしょう。

複数の情報源を比較する

義援金を送金する場合は、その団体の公式サイトだけでなく、SNSアカウントやその他の複数の情報を比較することも大事です。特定のアカウントやウェブサイトだけをみているとそれらが偽物である場合、詐欺の被害に遭う危険があります。

支援団体の連絡先を確認する

募金を検討している支援団体の連絡先が本物かどうかを確認することも詐欺を見分けるために重要です。公式サイトに電話番号が明記されている場合は電話をかけたり、メールアドレスの場合は問い合わせて返信を待ちましょう。

送金先の口座名を確認する

一般的に義援金や募金の寄付の場合は、支援団体名の銀行口座情報が明記されています。しかし、送金先の口座情報が「個人名」宛などの場合は詐欺の可能性が非常に高いといえるので絶対に送金しないようにしましょう。

見知らぬ支援団体からの連絡は無視する

詐欺師たちは、電話やメール、自宅訪問などあらゆる方法を使って騙そうとしてきます。最近は迷惑メールの中に偽の支援団体を名乗って寄付を募るメールも増えています。特に災害支援などを謳い文句に義援金として振り込ませようとしてくる手口が多いので、そのような連絡は基本的に無視することが最善といえるでしょう。

専門機関に相談する

義援金や寄付を検討しているが、寄付先の団体がどうも怪しいと感じた場合は、金融庁金融サービス利用者相談室(0570-016811)や消費者ホットライン(188)などの専門機関に相談してみましょう。また、義援金詐欺の被害に遭った可能性がある場合は、警察相談専用電話(#9110)に問い合わせましょう。

セキュリティ対策ソフトを利用する

オンライン上には、偽の支援団体を名乗る広告や偽のサイトなどが無数に存在しており、誤ってクリックしてしまうと詐欺でお金を騙し盗られるだけでなく、個人情報までもが流出してしまう危険があります。しかし、幸いなことに優れたセキュリティ対策ソフトを導入することで、オンライン上の脅威から自分の個人情報を守ることができます。マカフィー社が提供しているマカフィー+の場合、偽の義援金募集を謳ったフィッシングサイトを事前に特定し、アクセスを防ぐ「ウェブ保護」機能やSMSで届く詐欺リンクを事前に検知して防ぐ「マカフィー詐欺SMS検知」機能など優れた機能を複数搭載しているため、詐欺の被害の未然に防ぎます。

まとめ

今回は、災害支援や国際NGOを騙る偽の支援団体による義援金詐欺の手口について解説するとともに、被害に遭わないためのセキュリティ対策を紹介してきました。近年、日本国内の寄付金額が年々増えていますが、これは寄付金や義援金募集がインターネット上で行なわれるようになったことが影響しており、誰でもスマホから気軽にできるようになったことが大きいといえます。しかし、詐欺師たちはこの利便性に目をつけて偽の支援団体を騙って義援金詐欺を企んでいます。今回、上記で紹介したセキュリティ対策を実行することで、義援金詐欺の被害に遭う確率を抑えることができます。

加えて、オンライン上では義援金詐欺に加えて、様々な脅威が私達の個人情報や金融情報を狙っているため、被害を未然に防ぐためにも常時注意しておく必要があり、これは相当な労力といえます。しかし、マカフィー+のような優れたセキュリティ対策ソフトを導入することで、それらの負担は一気に軽減し、過度な不安が消えて快適なオンラインライフを過ごすことができるでしょう。

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